解説記事 / コンテナ積載効率を上げる6つの方法|向き・段ボール寸法・積み方

コンテナ積載効率を上げる6つの方法|向き・段ボール寸法・積み方

コンテナの積載効率を上げる6つの方法を、効果の大きい順に解説します。段ボールの向きの制限を外す、寸法を内寸に合わせる、バラ積みとパレット積みを使い分ける、重い貨物を中央と下に寄せるといったポイントに加え、40フィートハイキューブの計算例と積載率の目安も紹介します。

更新日:2026-09-26

目次

コンテナの積載効率は、主に3つの条件で決まります。段ボールの向きをどこまで変えてよいか、段ボールの寸法がコンテナ内寸の断面にどう収まるか、そしてパレタイズするかどうかです。経験上、大まかな計画と詰めた計画では内寸容積の10~25%、40フィートハイキューブ(76.3CBM)なら約7.6~19.1CBMの差が出ることがあります。FCL(フルコンテナロード)では運賃がコンテナ1本単位でかかるため、この差がそのままCBM(立方メートル)あたりの輸送コストの差になります。

これらはコンテナが届く前に、積載計画(ローディングプラン)の段階で決めておく必要があります。向き・段ボールの仕様・積み方を当日の現場で決めていては、その時点で積める量はすでに目減りしています。以下では効果の大きい順に6つの方法を解説し、最後に1つのSKU(品番)を3つの向きで積んだ場合の積載数を比べます。

1. 段ボールの向きの制限を外す

6方向すべての向きを許すと、積載率は経験上3~10ポイントほど上がります。

例えば50×40×30cm(1個6kg)の段ボールを40フィートハイキューブに最大まで積む場合、底面を下にしたまま水平に90度回すことだけを許すと1,080個(積載率84.9%)です。6方向の向きを自由にすると1,128個(88.7%)になり、48個・2.88CBM(+3.8ポイント)多く積めます。コンテナ1本あたりの運賃は変わりません。結果はツールで再現できます(天地固定の場合・向きを自由にした場合)。

天地を固定する必要が本当にあるのは、主に液体・ガラス・機械類などです。ところが実際には、中身に関係なく「天地無用(This side up)」の表示を印刷した外箱が少なくありません。製品上問題がなければ、積載計画に「向き自由」と明記しておきましょう。ただし、表示がある箱は表示に従うのが原則です。後述のCTU Codeも「this side up」などの荷扱い表示を守るよう求めています。

2. 段ボールの寸法をコンテナ内寸に合わせる

積載数を最も大きく動かすのは段ボールの寸法です。コンテナの外寸(外側の寸法)はISO 668で決まっており、幅は全サイズ共通の2.438mです。内寸にも最小値が定められているため、長さが違うコンテナでも内寸の幅と高さにはほとんど差がありません(高さはハイキューブかどうかで変わります)。

当サイトのツールでは、ドライコンテナの内寸を幅235cm・高さ239cm、ハイキューブの高さを270cm、40フィート系の長さを1,203cmとしています。この断面にどう収まるかで、積載数が大きく変わります。

幅62cmの段ボールは、235÷62で幅方向に3個しか並ばず、使うのは186cmです。残りの49cm(幅の20.9%)は空いたままになります。幅を58cmにすると4個並び、232cmで余りは3cmです。1列あたり1個、つまり約3分の1(4÷3で+33%)増え、この差が1,203cmの全長にわたって繰り返されます。

コンテナ内寸の幅235cmに対する段ボール幅62cmと58cmの比較62cmの段ボール:幅方向に3個、49cmが空く49cm空きコンテナ内寸の幅 235cm(上から見た図)58cmの段ボール:幅方向に4個、余り3cm同じ製品でも段ボールを4cm縮めると1列に1個増え、約12m(1,203cm)の全長で繰り返される
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金型や梱包材を発注する前に、候補の寸法をコンテナ積載計算ツールで比べておきましょう。

3. バラ積みかパレット積みかを判断する

バラ積みとは、パレットを使わずに段ボールを床から直接積む方法です。パレット積みではパレットの台やパレット同士のすき間の分だけ容積を失い、積載率は経験上10~20ポイント下がります(詳しくはコンテナに積めるパレット数を参照)。

その代わり、荷降ろしの手間は大きく違います。40フィートをバラ積みにするとデバンニング(荷降ろし)に数時間の人手がかかりますが、パレットならフォークリフトの作業者が数分で降ろせます。判断の軸は、コンテナ1本あたりの運賃削減と荷役費の増加のどちらが大きいかです。

経験上、大量・低単価の品目で航路が安定している場合はバラ積みが有利なことが多くあります。一方、物流センターへ納品する場合はパレットを求められることが一般的で、選ぶ余地がないこともあります。パレット上の段ボールの並べ方はパレットに積める段ボールの数で解説しています。

4. 重量の上限と重量バランスを確認する

容積より先に重量が上限に達する貨物もあります。当サイトのツールでは、最大積載重量を40フィートドライコンテナで28,800kg、40フィートハイキューブで28,620kgとしています。船会社2社の公表値を見ると、40フィートドライは28,750kgと26,840kg、40フィートハイキューブは28,600kgと28,800kgで、同じサイズでも差があります。最大積載重量は最大総重量(Max. Gross Weight)から自重を引いた値で、船会社やコンテナの最大総重量の仕様によって変わります。

実際には、コンテナの最大積載重量より道路輸送の制限のほうが先に効くことが多くあります。米国の場合、40フィートで実務上積めるのは経験上約19~20tとされますが、これは車両やシャシーの重さを仮定した推定値です。日本国内では、重要物流道路を走る国際海上コンテナ車に総重量最大44t・軸重11.5tといった基準があります。国ごとの上限とVGM(コンテナ総重量)の考え方はコンテナの重量制限とVGMにまとめています。

重さの配分の基準になるのが、CTU Code(Code of Practice for Packing of Cargo Transport Units:コンテナなどの貨物輸送ユニットへの積付けに関する実務規範)です。IMO(国際海事機関)・ILO(国際労働機関)・UNECE(国連欧州経済委員会)が共同で作成した強制力のない規範で、2014年にIMO海上安全委員会、UNECE内陸輸送委員会、ILO理事会が承認しました。1997年のガイドラインを改訂したもので、海上と陸上をまたぐ複合輸送の全区間を対象としています。

CTU Codeでは、水平に吊り上げるコンテナの場合、貨物全体の重心を長さと幅の中央付近に置き、偏りは一般に±5%以内とされています。目安は「総重量の60%を長さの中央50%の範囲に収める」ことで、特殊なスプレッダーを使う場合などは±10%まで認められることがあります。

横方向の重心は幅の中央付近、上下方向の重心は積載空間の高さの半分より下に置きます。重い段ボールを下、軽い段ボールを上に積めば、下段の潰れを防げるうえ、海上で揺れたときも段積みが安定します。CTU Codeも、軽い貨物の上に重い貨物を積むことを避けるよう求めています。

前に重さが偏ると偏荷重になり、総重量が法定範囲内でもシャシーの軸重(車軸ごとの重量)を超えるおそれがあるので注意が必要です。経路上の重量制限は、許容総重量よりかなり低い場合もあります。

5. 残ったすき間を埋める

経験上、最上段に残る20~30cmのすき間は、別品目の小さく軽い段ボールを積むのに向いています。

貨物で埋められない扉側のすき間は、ダンネージエアバッグや木材などの緩衝材で埋め、ショアリング(角材などで支えて固定)で動かないようにします。輸送中に動く貨物は自らを傷めるだけでなく、検査で不合格になる原因にもなります。CTU Codeも、必要に応じてすき間を埋め、ブロッキングやラッシングで固定するよう定めています。

ただし、最後の数%まで詰め込もうとするのは避けましょう。経験上、理論上の最大パターンの約90%を超えると、人件費の増加が運賃の削減を上回るのが一般的です。無理に押し込んだ段ボールは積み込みを遅らせ、潰れた状態で着く原因になります。

6. 容積の割り算ではなく、配置を計算する

コンテナの容積を段ボール1個の容積で割った値は、あくまで上限値です。実際に積める数はこの値以下になります。割り算には向き・縦横の組み合わせ・扉開口寸法が反映されないため、経験上10~25%ほど多めに出ます。

コンテナ積載計算ツールでは、段ボールを1個ずつ実際の位置に配置する計算をブラウザ上で行い、結果を3Dで確認できます。積載数と積載率に加えて、容積・重量・個数のどれが上限になったか(制約要因)も表示されるので、重量と容積のどちらが先に効いているかがわかります。

7. 計算例:1つのSKUを3つの向きで積む

60×40×40cm・8kg(1個0.096CBM)の外箱を、40フィートハイキューブ(内寸1,203×235×270cm)に1方向に揃えて積む場合の個数は、次の式で求めます(各項は小数点以下切り捨て)。

積載数=(1,203÷長さ方向の寸法)×(235÷幅方向の寸法)×(270÷高さ方向の寸法)
積載率=積載数×0.096÷76.3

向き(底面×高さ)幅方向の個数段数長さ方向の列数段ボール数積載率
底面60×40cm、高さ40cm562060075.5%
底面40×60cm(60cmの面を幅方向)、高さ40cm363054067.9%
底面40×40cm、高さ60cm543060075.5%

同じ段ボールでも、向きを誤ると60個・5.76CBMを失います。原因は60cmの面を幅方向に向けたことで、235÷60で3個しか並ばず、55cmの帯が空いたままになります。

表の600個は、1方向に揃えた積み方での最大値です。向きを混ぜて配置するツールでは、向きを自由にすると650個(81.8%)となり、1方向の最大値より50個多く積めます。天地を固定した場合は600個(75.5%)です。

重量はどうでしょうか。600個×8kgで4.8t、650個でも5.2tで、ハイキューブの最大積載重量28,620kgには遠く及びません。この貨物は重量より容積の制限が先に来るため、向きの工夫で増やせた分がそのまま運賃の削減になります。

実際の出荷数量が500個なら、500×0.096で48CBMです(CBM計算ツールで確認できます)。40フィートハイキューブ1本に収まり、公称容積に対する積載率は62.9%です。積載計算ツールの結果でも500個すべてが積め、制約要因は個数になります。残りの枠は1方向の積み方なら100個分、ツールの最大値650個なら150個分あります。なお、この結果画面には残り枠の数は表示されません。650個は、個数の代わりに最大積載数を求める設定で確かめた値です。ここに別品目を積めば、2本目のブッキング(予約)を避けられる可能性があります。

8. 積載スペースを無駄にしやすいミス

容積の割り算で個数を見積もる:76.3÷0.096=794.8となり、794個積めると判断してしまうケースです。1方向の積み方の600個と比べると194個(約18.6CBM)、ツールの650個と比べても144個(約13.8CBM)が行き場を失います。積み残した貨物は、CBMあたりの運賃がFCLより高いLCL(混載)で送り直すか、次の本船を待つことになります(FCLとLCLの違い)。

積載計画が現場に伝わっていない:計画では600個でも、作業者が感覚で向きを決めると540個になり、60個が倉庫に戻って積み直しと書類の作り直しが発生します。向きを示した1枚の図を、バンニング(コンテナへの積み込み)の責任者に渡しておきましょう。

最後の数%まで詰め込もうとする:残ったすき間に横倒しで押し込んだ段ボールは、潰れて届きやすくなります。6段積みの下段が潰れると、その段全体が貨物クレーム(保険会社や運送人への損害請求)の対象になりかねません。

重い品目で向きの最適化から始める:重い品目は、床を埋める前に重量制限にかかります。例えば米国では、40フィートの道路輸送で実務上の目安とされる約19~20tに先に達します。これでは向きを工夫しても意味がありません。まず重量と容積のどちらの上限が先に来るかを確かめてから、積み方を検討しましょう。コンテナの種類ごとの実務的な積載CBMはコンテナ1本に積めるCBMで紹介しています。

コンテナの積載率は何%あれば良いですか?

経験上の目安として、同じ寸法の段ボールをバラ積みし、向きを自由にした場合は内寸容積の75~85%なら良好です。パレット積みでは50~60%が目安になります。一方、理論上の最大パターンの約90%を超えて詰めようとすると、人件費の増加が運賃の削減を上回ることが多くなります。いずれも規格ではなく、実務上の目安です。

コンテナに段ボールが何個入るかはどう計算しますか?

コンテナの容積を段ボール1個の容積で割ると上限値が出ますが、実際に積める数はそれ以下です。割り算では向き、縦横の組み合わせ、扉開口寸法が考慮されないため、経験上10~25%多めに出ます。正確な個数は、段ボールを実際の位置に配置して数える積載計算ツールで確認しましょう。

重い貨物はコンテナの下に積むべきですか?

はい。CTU Code(IMO・ILO・UNECEの貨物積付け実務規範)では、重心を幅の中央付近、かつ積載空間の高さの半分より下に置くことが求められており、重い段ボールを下、軽い段ボールを上に積みます。前後方向も重心を長さの中央付近(一般に±5%以内)に置きます。前に偏ると、総重量が範囲内でもシャシーの軸重(車軸ごとの重量)を超えるおそれがあります。

コンテナの扉の大きさで積める貨物は制限されますか?

制限されます。扉開口寸法は標準的なドライコンテナで234×228cm、40フィートハイキューブで234×257.7cm(いずれも当サイトのツールの採用値)で、内寸の断面より小さくなっています。貨物1個ずつが扉を通る必要があり、通らない大きさの貨物はオープントップやフラットラックで運びます。

40フィートハイキューブに段ボールは何個入りますか?

段ボールの寸法と向きによって変わるため、共通の数字はありません。例えば60×40×40cmの外箱なら、1方向に揃えた積み方で600個、60cmの面を幅方向に向けると540個です。向きを混ぜて配置するツールの計算では650個(積載率81.8%)になります。

バラ積みとパレット積みはどちらが安いですか?

条件によって変わります。パレット積みはパレットの台やすき間の分だけ積載率が経験上10~20ポイント下がりますが、荷降ろしはフォークリフトで数分です。一方、40フィートのバラ積みはデバンニングに数時間の人手がかかります。大量・低単価の品目や安定した航路ではバラ積みが有利な場合が多く、物流センターへの納品ではパレットを求められることが一般的です。

コンテナ内の空きスペースはどう固定しますか?

貨物で埋められないすき間は、ダンネージエアバッグや木材などの緩衝材で埋め、ショアリング(角材などで支えて固定)やラッシングで貨物が動かないようにします。CTU Codeも、必要に応じてすき間を埋め、ブロッキングやラッシングで固定するよう定めています。

重量と容積はどちらが先に上限に達しますか?

貨物の重さによります。60×40×40cm・8kgの段ボールなら650個積んでも5.2tで、40フィートハイキューブの最大積載重量28,620kg(当サイトのツールの採用値)に届かず、容積が先に上限になります。重い品目は床を埋める前に道路輸送の重量制限に達することがあり、米国の40フィートでは経験上約19~20tが実務の目安です。

コンテナの積載率の計算式は?

容積ベースの積載率は「積み込んだ貨物の容積÷コンテナ内寸の容積×100」で求めます。例えば0.096CBMの段ボール650個(62.4CBM)を40フィートハイキューブ(76.3CBM)に積むと、62.4÷76.3で約81.8%です。積載率を重量ベースで定義する場合もあるため、どちらの基準かを確認しましょう。

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