解説記事 / 航空貨物ULDのサイズ一覧|PMC・PAG・AKE(LD3)の寸法

航空貨物ULDのサイズ一覧|PMC・PAG・AKE(LD3)の寸法

ULD(航空貨物用パレット・コンテナ)のPMC・PAG・AKEなど主要規格の寸法と最大総重量、ロワーデッキ162.6cm・メインデッキ243.8cmの高さ制限、BUPの料金の仕組み、ULD番号の読み方を解説します。

更新日:2026-09-26

目次

航空貨物の多くは、段ボールや木箱を1個ずつ機内に積むのではなく、ULD(Unit Load Device)と呼ばれる航空機用のパレットやコンテナにまとめてから搭載されます。ULDとは、航空機用パレットとカーゴネットの組み合わせ、または航空機用コンテナのことです。取り外し可能な航空機部品として扱われるため、設計・試験・製造・運用・整備のすべての段階で民間航空当局の要件を満たす必要があります。

規格はIATAのULD規則(ULD Regulations:ULDR)で標準化されています。IATA・ISO・SAEなどの基準に沿った技術・運用の標準で、仕様や取り扱いの標準はIATAのULD Boardが管理しています。IATAによると、運用中のULDは約100万個にのぼります。

この記事では、PMC・PAGなどのパレットとAKE(LD3)などのコンテナの寸法、デッキごとの高さ制限、BUP(ULD単位の搬入)の料金の仕組み、ULD番号の読み方を順に解説します。大まかにいえば、パレットは高く積めて大型貨物に向き、コンテナは貨物を保護しやすい一方で、機体の形に合わせた分だけ容積が小さくなります。

航空貨物用パレット(PMC・PAG・PLA・PGA)の寸法

ULDパレットは平らな板で、縁に固定用のレール(seat track)が付いています。貨物を積んだらラップで巻き、強度の定められたカーゴネットをかぶせて固定します。パレット自体は航空会社に登録された航空機の装備品で、運航が終われば航空会社に返却されます。倉庫で使う木製パレットとは規格も扱いもまったく別物です。地上輸送のパレット規格はパレットの標準サイズで解説しています。

主な搭載先は、ワイドボディ機(通路2本の大型機)のロワーデッキ(床下貨物室)と、貨物専用機(フレイター)のメインデッキ(主甲板)です。よく使われる4種類の寸法とULDの最大総重量(MGW)は次のとおりです。ベースの規格はインチで定められているため、インチの値が基準になります。

形式ベース(in)ベース(cm)代表的な最大総重量主な用途
PMC / P6P96×125243.8×317.5約6,800kg(6,804kgと表記する航空会社もあり)主力。ワイドボディ機のロワーデッキ・貨物専用機のメインデッキ
PAG / P1P88×125223.5×317.56,033~6,800kg(航空会社により異なる)旧来の標準。多くの機種で使用
PLA60.4×125153.4×317.5約3,175kgハーフパレット。小口の混載
PGA96×238.5243.8×605.811,340~13,608kg(出典により異なる)20フィートパレット。貨物専用機のメインデッキ・長尺貨物

※最大総重量は名目上の上限です。実際に積める重量は機種と搭載位置で変わります。

PMCの最大総重量は、Vietnam Airlinesが6,800kg、Thai Cargoが6,804kgと表記しています。自重はカーゴネットを含めて約120kgです。PAGは航空会社による差が大きく、Thai Cargoは6,033kg、Vietnam Airlinesは6,800kgとしています。PAGの自重は96~115kgです。

PLAの短辺60.4インチ(153.4cm)は、後述するAKEの奥行きと同じ寸法です。PGAはThai Cargoで最大総重量13,608kg(74Fなどの貨物専用機)とされています。一方、英国のフォワーダーCory Brothersは、同じ20フィートクラスの機材(M-6)を11,340kg・33m³と案内しています。

ULDの最大総重量はどれも名目上の最大値です。Vietnam Airlinesは、実際の上限は機体のWeight & Balance Manual(重量・重心の管理マニュアル)に従い搭載位置で決まるとしており、Thai Cargoも運航上の理由で変わる場合があると注記しています。重量物を積む場合は、ブッキングの段階で航空会社に確認しましょう。

航空貨物用コンテナ(AKE・AKH・AAP・AMA)の寸法

ULDコンテナは箱型で、機体の貨物室の断面に沿ったコンター(外形の輪郭)を持っています。代表的なAKEは、ロワーデッキの幅の半分を占めるハーフサイズのコンテナで、片側が斜めに切り落とされた形です。扉はキャンバス製とソリッド(硬質)の両方があり、扉の開口はAirBridgeCargoの仕様で58×61インチ(147×155cm)です(American Airlines Cargoは58×56インチ)。

AKEはLD3とも呼ばれます。LD3は旧ATA(現Airlines for America)の体系による名称、AKEはIATAのULDコードで、どちらも同じコンテナを指します。

形式ベース(cm)高さ(cm)容積代表的な最大総重量搭載位置
AKE(LD3)156.2×153.4162.6約4.5m³(4.3m³と表記する航空会社もあり)約1,588kg多くのワイドボディ機のロワーデッキ。床下の基本的なコンテナ
AKH(LD3-45)156.2×153.4114.3約3.6m³1,587kg(A321搭載時は1,134kg)A320ファミリーのロワーデッキ
AAP(LD9)317.5×223.5162.610.3~10.6m³約6,033kgPAGベースのコンテナ。ワイドボディ機のロワーデッキ
AMA317.5×243.8243.8(図面から判読)—約6,804kg貨物専用機のメインデッキ

AKEの寸法をインチで書くと、ベース61.5×60.4インチ、高さ64インチ、傾斜部を含む全幅79インチ(200.7cm)です。最大総重量は1,587~1,588kgです。内容積はVietnam AirlinesとAirBridgeCargo(AS1825)が4.5m³、Thai Cargoが4.3m³、American Airlines Cargoが4.32m³と、航空会社によって表記が分かれます。

コンターがある分、使える容積は外寸より小さくなります。AKEの外寸を直方体とみなすと200.7×153.4×162.6cmで約5.0m³ですが、実際の内容積は4.3~4.5m³です。

AKEは多くのワイドボディ機のロワーデッキに対応しています。例えばVietnam AirlinesはB777・B787・A350・A330、American Airlines Cargoは787・777、Thai Cargoは747・777・A330・A340などを挙げています。

AKHはAKEと同じベースで、高さを45インチ(114.3cm)に抑えたA320ファミリー用のコンテナです。内容積はVietnam Airlinesの表記で3.6m³(3.7m³とする資料もあり)です。最大総重量は1,587kgですが、A321に搭載する場合は1,134kgに制限されます。

AAPは125×88×64インチ(317.5×223.5×162.6cm)で、PAGと同じベースのコンテナです。Thai Cargoの表記では最大総重量6,033kg、容積10.3~10.6m³です。なお、American Airlines Cargoは125×96インチ・5,034kgの機材を「LD9」と呼んでおり、LDの呼び名は航空会社によって指す機材が異なる場合があります。AMAはPMC(P6P)のベースを使う直方体のコンテナで、貨物専用機のメインデッキ用です。AirBridgeCargoの仕様では最大総重量6,804kgです。

デッキごとの高さ制限

同じPMCのベースでも、どのデッキのどの位置に載せるかで積み付けられる高さが変わります。旅客機の床下貨物室(ベリー)と貨物専用機のメインデッキでは、天井の高さも断面の形も違うためです。

搭載位置高さ(コンター)PMCの容積
ロワーデッキ(旅客機・貨物専用機の床下貨物室)162.6cm(64in)11.5m³
メインデッキ・標準(Q6)243.8cm(96in)17.0m³
メインデッキ・高い位置(Q7)299.7cm(118in)21.2m³

ロワーデッキ用には64インチ(162.6cm)のコンターで積み付けます。AirBridgeCargoの仕様ではPMCで11.5m³です。Vietnam Airlinesは使える容積をPMC 11.5m³、PAG 10.5m³としています。フォワーダーの案内では、パレットのベースを含めて160cm程度とされるのが一般的です。

貨物専用機のメインデッキは96インチ(243.8cm)が標準のコンター(Q6)で、PMCで17.0m³です。機体の一部の位置では118インチ(299.7cm)のコンター(Q7)まで積み付けられ、PMCで21.2m³になります。

高さが約163cmを超える貨物は、旅客機の床下のULDに収まりません。重量が軽くても貨物専用機でしか運べなくなるため、使える便が減り、費用が上がる場合があります。背の高い貨物は、梱包の段階で高さを抑えられないか検討しておくと選択肢が広がります。

BUP(ULD単位の搬入)と料金の仕組み

ULDへの積み付けは、航空会社の上屋だけで行われるわけではありません。IATAのBulk Unitization Program(BUP)では、航空会社が空のULDを提供し、航空会社の外、主にフォワーダーの倉庫で貨物を積み付けます。完成したULDはそのまま航空会社に搬入されます。業界では航空会社の外で積み付けたULDを「shipper-built ULD」と呼びますが、積み付けるのは多くの場合フォワーダーです。IATAはBUPの品質と標準に関する指針も定めています。

日本のフォワーダーにも、自社施設で貨物をULDに積み付け、ULD単位で航空会社に引き渡すサービスがあります。MOL Logisticsの「ULDインタクトサービス」はその一例で、輸送中の荷扱い回数が減ることで、リードタイムの短縮、貨物ダメージの減少、セキュリティの向上につながるとしています。

ULD単位の料金の組み立ては、大韓航空の料金表にあるBUC(Bulk Unitization Charge)が参考になります。BUCでは、ULDの種類ごとに最低料金が決まっており、定額限界重量(Pivot Weight)を超えた重量に超過料金がかかります。定額限界重量は、最低料金の範囲で認められる最大の重量です。この超過分の料金を、MOL Logisticsはオーバーピボット料金(Over Pivot Charge)と呼んでいます。

大韓航空の料金表では、ULD単位で請求する重量も定めています。

  • 航空会社所有のULD:実際の総重量からULDの自重を差し引いた重量
  • 荷主所有のULD:実際の総重量から、自重の許容値と実際の自重のうち小さい方を差し引いた重量
  • BUCの対象外:危険物・生動物・有害物・貴重品

混載業者としてのフォワーダーは、航空会社にはULD単位で運賃を支払い、各荷主にはChargeable Weight(C/W)で請求します。C/Wは実重量と容積重量(縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)÷6,000)のいずれか大きい方です。この差額が混載のマージンになるため、フォワーダーにはULDをコンターと許容高さいっぱいまで埋める動機があります。荷主側で請求重量を確かめるには、チャージャブルウェイト計算ツールが使えます。なお、このツールはULD単位の料金や定額限界重量の計算には対応していません。

ULDの積載計画と積み付けの目安

積み付けの前に、貨物がULDのベースと高さに収まるか、どれだけの容積と重量になるかを見積もります。PMCをロワーデッキに載せる場合、使える容積は64インチのコンターで11.5m³です。

ULD単位の料金では、容積の上限まで使い切るのと同時に定額限界重量に達する状態が最も効率的です。目安にする1m³あたりの重量は、次の式で出せます。

目標とする1m³あたりの重量(kg/m³)=目標重量(kg)÷使える容積(m³)

例えば、PMCのロワーデッキ分11.5m³を軽い貨物だけで満たした場合を考えます。航空の容積重量は1m³あたり166.67kg(1,000,000÷6,000)なので、11.5×166.67=1,916.7となり、容積重量で少なくとも約1,917kg分を荷主に請求できる計算です。

ベースに段ボールをどう並べるかも重要です。125インチの辺は317.5cm、96インチの辺は243.8cmです。63.5cm(25インチ)の箱なら5列で317.5cmにぴったり収まります。縁に空いた帯はULD単位の料金ではそのまま損になります。段ボールの配置はパレットに載る箱数の計算、貨物全体の容積と重量はCBM計算ツールで確認できます。CBM計算ツールでは、総容積(m³)・総重量(kg)・航空の容積重量(÷6,000)が表示されるので、上の使える容積や定額限界重量と比べて判断しましょう。

ULD番号(PMC・AKEなど)の読み方

ULD番号は10桁で、次の3つで構成されます。

  • 種類:3文字(例:PMC)
  • シリアル番号:多くは5桁、古いものは4桁(例:45231)
  • 所有者コード:IATAが割り当てる2文字(例:KE)

つまり「PMC 45231 KE」は、所有者コードKEのPMCパレット45231番ということです。種類を表す3文字は、1文字ずつ意味があります。

1文字目はカテゴリーです。Aは認定コンテナ、Pは認定パレット、Dは非認定コンテナ、Rは認定の温度管理コンテナを表します。IATAの標準カテゴリーは全部で17種類あります。

2文字目はベース寸法で、コンテナとパレットに共通の15種類の文字があります。主なものは次のとおりです。

  • M:96×125インチ(PMC)
  • A:88×125インチ(PAG)
  • K:61.5×60.4インチ(AKE・AKH)
  • L:60.4×125インチ(PLA)
  • G:96×238.5インチ(PGA)

3文字目は、コンテナとパレットで意味が異なります。コンテナではIATA標準のコンターを表し、機体の貨物室の形に対応しています。コンターを取り違えると航空機の安全にかかわります。パレットでは認定の区分を表します。

実務では、PMC・PAG・PLA・AKE・AKHを押さえておけば、航空運送状(Air Waybill:AWB)やブッキングでよく見るコードはおおむね読めます。

ULDとは?

ULD(Unit Load Device)は、航空貨物をまとめて機体に搭載するための航空機用パレットとカーゴネットの組み合わせ、または航空機用コンテナのことです。取り外し可能な航空機部品として扱われ、設計・試験・製造・運用・整備のすべての段階で民間航空当局の要件を満たす必要があります。技術・運用の標準はIATAのULD規則(ULD Regulations:ULDR)にまとめられています。

PMCとは?PAGとの違いは?

PMC(P6P)は航空貨物で最もよく使われるパレットで、ベースは96×125インチ(243.8×317.5cm)です。最大総重量は6,800kg(Vietnam Airlines)または6,804kg(Thai Cargo)と表記されます。PAG(P1P)は短辺が88インチ(223.5cm)と狭く、長辺125インチは共通です。PAGの最大総重量は航空会社によって異なり、6,033kg(Thai Cargo)と6,800kg(Vietnam Airlines)の例があります。コード2文字目のMが96×125インチ、Aが88×125インチのベースを表します。

航空貨物用パレットの標準サイズは?

主な規格は、PMC(96×125インチ=243.8×317.5cm、最大総重量約6,800kg)、PAG(88×125インチ=223.5×317.5cm、6,033~6,800kg)、ハーフパレットのPLA(60.4×125インチ=153.4×317.5cm、約3,175kg)、20フィートパレットのPGA(96×238.5インチ=243.8×605.8cm、11,340~13,608kg)です。最大総重量は名目上の上限で、実際に積める重量は機種と搭載位置で変わるため、ブッキング時に航空会社へ確認します。

AKE(LD3)の大きさと容積は?

AKEはベース61.5×60.4インチ(156.2×153.4cm)、高さ64インチ(162.6cm)、傾斜部を含む全幅79インチ(200.7cm)のコンテナです。内容積は4.5m³(Vietnam Airlines・AirBridgeCargo)と表記する航空会社と、4.3m³(Thai Cargo)・4.32m³(American Airlines Cargo)と表記する航空会社があります。最大総重量は1,587~1,588kgです。LD3は旧ATA(現Airlines for America)の呼び名で、AKEはIATAのULDコードです。同じコンテナを指します。多くのワイドボディ機のロワーデッキ(床下貨物室)で使われます。

航空貨物の高さ制限は?

旅客機のロワーデッキ(床下貨物室)に載せるULDは、パレットのベースを含めて64インチ(162.6cm)のコンターが上限です。貨物専用機のメインデッキ(主甲板)は標準で96インチ(243.8cm)、一部の位置では118インチ(299.7cm)まで積み付けられます。高さが約163cmを超える貨物は旅客機の床下に載らず貨物専用機に限られるため、重量に関係なく使える便が減り、費用が上がる場合があります。

ULDのパレットとコンテナの違いは?

パレットは平らな板に貨物を積み、カーゴネットで固定するタイプです。高く積み付けられ、大型の貨物も載せられます。一方、コンテナは箱型で、機体の貨物室の形に合わせたコンター(外形の輪郭)を持ちます。貨物を保護しやすい反面、傾斜部の分だけ使える容積が外寸より小さくなります。例えばAKEは外寸の直方体で約5.0m³ですが、内容積は4.3~4.5m³です。

BUPとは?

BUPはIATAの名称でBulk Unitization Programといい、航空会社の外、主にフォワーダーの倉庫で貨物をULDに積み付け、完成したULD単位で航空会社に搬入する方式です。航空会社は空のULDを提供します。運賃はULDの種類ごとの最低料金と、定額限界重量(Pivot Weight)を超えた分へのオーバーピボット料金で構成されます(大韓航空のBUCの例)。

定額限界重量(Pivot Weight)とは?

定額限界重量(Pivot Weight)は、ULD単位の料金で、最低料金の範囲内で認められる最大の重量です。この重量を超えた分には、オーバーピボット料金(ULDの基準重量を超えた分への料金)がかかります。具体的な重量はULDの種類と航空会社の料金表で決まります。

ULD番号の読み方は?

ULD番号は、種類を表す3文字、シリアル番号(多くは5桁、古いものは4桁)、IATAが割り当てる所有者コード2文字で構成されます。例えば「PMC 45231 KE」の場合、1文字目のPは認定パレット(Aなら認定コンテナ)、2文字目のMはベース寸法96×125インチ、3文字目はパレットでは認定区分、コンテナではIATA標準のコンターを表します。

出典

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