米国向けの貨物では、同じ荷物の大きさがCBMとCFTの2つの単位で出てきます。海上輸送の見積もりやパッキングリスト、LCLの運賃はCBM(立方メートル)で書かれますが、米国の港から先のLTL(小口トラック輸送)や倉庫の保管料はCFT(立方フィート、cubic feet)で計算されるためです。国際海上輸送の書類はメートル法、米国内のトラック・倉庫はヤード・ポンド法という前提があるので、国境をまたぐ貨物では換算が何度も発生します。この記事では、CBM CFT換算の係数と式、よく使う数値の換算表、電話口でもできる暗算の方法、換算を間違えやすいポイントを、実際の輸入貨物の例と合わせて解説します。
CBMとCFTの換算式
1CBMは35.3147CFT、1CFTは0.0283168CBMです。実務では35.3147を35.315に丸めて使えば十分です。
CFT=CBM×35.315
CBM=CFT÷35.315
例えば2.4CBMの貨物は、2.4×35.315=84.76CFTとなります。反対に120CFTの貨物は、120÷35.315=3.40CBMです。
大きさの感覚もつかんでおきましょう。1フィートは30.48cmなので、1CFTは1辺30.48cmの立方体です。この立方体が約35個で、1辺1mの立方体(1CBM)と同じ容積になります。
CBM・CFT換算表
よく使う数値をまとめました。左の2列はCBM→CFT、右の2列はCFT→CBMで、左右は別々の換算です(同じ行の数値どうしは対応していません)。CFTは小数点以下1桁、CBMは2桁に丸めています(コンテナの3行のCFTは公表値)。
| CBM | → CFT | CFT | → CBM |
|---|---|---|---|
| 0.5 | 17.7 | 10 | 0.28 |
| 1 | 35.3 | 25 | 0.71 |
| 2 | 70.6 | 50 | 1.42 |
| 5 | 176.6 | 100 | 2.83 |
| 10 | 353.1 | 250 | 7.08 |
| 20 | 706.3 | 500 | 14.16 |
| 33.2(20’) | 1,172 | 1,000 | 28.32 |
| 67.7(40’) | 2,390 | 2,000 | 56.63 |
| 76.3(40’ハイキューブ) | 2,694 | 3,000 | 84.95 |
※コンテナの3行は、Hapag-Lloydが公表しているドライコンテナの内容積です。空のコンテナの内寸から出した名目値なので、実際に段ボールを積める容積はこれより小さくなります。どれだけ小さくなるかは段ボールの寸法と積み方によって異なります。なお、コンテナの国際規格であるISO 668が定めているのは外寸と最小の内法寸法(内寸)で、容積の数値そのものは規格の対象ではありません。サイズ別の寸法はコンテナの寸法一覧、名目値と実際に積める量の差はコンテナ1本に何CBM積めるかで解説しています。
暗算で確かめる方法
電話中や倉庫の現場では、電卓を出す前に概算で当たりをつけると、桁の間違いにすぐ気づけます。
CBM→CFT:35を掛けて1%足す。 35×1.01=35.35で、係数35.3147との差は0.1%ほどです。例えば12CBMなら、12×35=420、その1%を足して約424CFTとなります。正確な値は423.8CFTです。
CFT→CBM:100CFT=2.83CBMを基準にする。 750CFTなら7.5×2.83で約21.2CBMです(正確な値は21.24CBM)。
コンテナの容積と比べる。 20フィートは約1,170CFT、40フィートは約2,390CFT、40フィートハイキューブは約2,700CFTです。1本に収まるはずの貨物が、換算するとこの値を超える場合は、換算かパッキングリストのどちらかに誤りがあると考えましょう。
ただし、暗算は間違いを見つけるための方法です。見積もり、請求書、通関申告、LTLの密度(1立方フィートあたりの重量)の申告などに書く数値は、係数35.315で計算してください。
インチ寸法から直接CFTを出す
米国の取引先から寸法がインチで届いた場合は、メートルに直さずにCFTを求められます。
CFT=縦(in)×横(in)×高さ(in)÷1,728
1,728は12×12×12で、1立方フィートに入る立方インチ(in³)の数です。例えば48×40×60インチの荷物は、48×40×60=115,200立方インチ、115,200÷1,728=66.67CFTとなります。CBMに直すと1.89CBMです。
CFTは、米国LTLの密度(lb/ft³)を出すときの分母になります。
密度(lb/ft³)=重量(lb)÷CFT
この密度がフレイトクラス(Freight Class)判定の入力になります。荷姿ごとの測り方や計算の手順は貨物密度の計算方法をご覧ください。
業務ごとに使われる単位
どの書類・料金にどの単位が使われるかを整理すると、次のとおりです。
| 業務・書類 | 単位 |
|---|---|
| 海上輸送の見積もり・パッキングリスト・船荷証券(B/L) | CBM |
| LCLのタリフ(W/M・R/T) | CBM |
| 米国LTLのフレイトクラス・NMFCの密度 | CFT(lb/ft³で使う) |
| 米国の倉庫の保管料 | CFT単位で請求される例がある |
| 航空輸送の容積重量 | cm³÷6,000(IATA)— CBMでもCFTでもない |
LCLのタリフに出てくるW/M(Weight or Measurement:重量または容積の大きい方)は、1CBMと1,000kgのいずれか大きい方を1R/T(レベニュートン、Revenue Ton)として運賃を計算する方式です。容積はCBMのまま扱います。
航空輸送はCBMもCFTも使いません。寸法をcm³で合計し、6,000で割った容積重量(kg)と実重量のうち大きい方がChargeable Weight(チャージャブルウェイト)になります。なお、CBMやCFTが必要なときも、同じcm³の合計に係数を1回掛ければ出せます。航空輸送や国際宅配便(クーリエ)の区間を含む見積もりでは、その区間はcm³のまま計算し、CFTに換算するのは米国内陸の区間だけにしておくと混乱しません。
米国の倉庫の保管料は、CFTあたりの料率で請求される例があります。例えば8.5CBMの貨物は8.5×35.315=300.2CFTで、仮に料率を月0.55ドル/CFTとすると、保管料は月約165ドルになります(料率は説明用に置いた値です)。
CBM計算ツールでは、段ボールの寸法・個数・重量を入力すると、合計容積がCBMで表示され、同じ欄にCFTも併記されます。表示されるのは合計だけで、品目ごとの容積は出ません。品目別の値が必要な場合は、その品目だけを入力して確認してください。
| 日本の容積単位「才数」 | |
|---|---|
| 才(さい) | 尺貫法に由来する日本の容積単位。在来船の港湾荷役料金(ランディングチャージなど)で使われることがある |
| 換算の目安 | 一般的には40才=1容積トン(M/T)=1.133CBM。この等式では1才が1CFTとほぼ同じ大きさとして扱われる |
換算を間違えやすい4つのポイント
1. 係数を35に丸める。 35で計算すると、CFTは正しい値より約0.9%小さくなります。CFTが小さく出ると、LTLの密度は実際より大きく計算されます。密度がフレイトクラスの境目に近い貨物は、本来より1段階低いクラスで申告してしまうおそれがあります。運送人による再計量・検査(W&I:Weight & Inspection)で差が見つかると、再分類(リクラス)の対象となり、運送人がクラスを付け直して差額を追加請求する場合があります。
2. 掛けると割るを取り違える。 CFTの数値は、同じ貨物のCBMの数値のおよそ35倍になります。CBMからCFTに換算したのに数値が小さくなっていたら、係数を掛けるべきところで割っています。
3. 1箱ごとに丸めてから個数を掛ける。 1箱0.099CBMの段ボールを0.10CBMに丸めて250箱分を計算すると25.0CBMになりますが、正しくは24.75CBMです。差は0.25CBM、CFTでは約8.8CFTにあたります。合計の容積を先に出し、換算は最後に1回だけ行いましょう。
4. 容積トン(M/T)をCFTやトンと読み違える。 容積トン(M/T、measurement ton)は、米国では40立方フィート(約1.133CBM)、英国では42立方フィートを1単位とする運賃単位です。重量のトンでもCFTでもありません。容積トン建ての「1トンあたり」の料金を1CFTあたりと読むと、金額を40倍取り違えます。重量のトンと読み違えた場合の差は、貨物の重さと大きさの関係によって異なり、決まった倍率はありません。現在の海上LCLは、1CBMを1,000kgとみなしてCBMとトンの大きい方を1R/Tとする計算が一般的です。容積トンは一部の古いタリフや港湾の料金表に残っています。freight tonという言葉がR/Tと同じ意味で使われる場合もあるため、見積もりに「ton」とあれば、どの単位かを確認しておくと安心です。
端数処理のタイミング
端数処理では、次の2点にも気をつけます。前の節の3番目(合計を先に出す)とは別の注意点です。
換算する前の数値を丸めない。 3番目は「どの順番で合計するか」の問題でした。こちらは「係数を掛ける前の桁数」の問題です。CBMの数値は桁を落とさずにそのまま35.315を掛け、丸めるのは結果のCFTだけにします。先に丸めた誤差は、35倍されて結果に出てきます。
請求書の「cft」が1個あたりか合計かを確かめる。 同じ欄に書かれていても、1箱あたりの値のこともあれば、全体の合計のこともあります。個数を掛ける前に確認しましょう。
表記の桁数は、米国LTLのCFTは小数点以下1桁、海上のCBMは2~3桁で書かれる例が多く見られますが、決まった規則ではありません。CBMそのものの定義や測り方はCBMとは?で解説しています。
計算例:寧波からロングビーチへ段ボール250箱
中国の寧波から米国のロングビーチへ、海上輸送で次の貨物を送るケースです。
- 段ボール250箱、1箱55×45×40cm、12kg
- 1箱の容積:0.55×0.45×0.40=0.099CBM
- 合計:0.099×250=24.75CBM、重量3,000kg
海上運賃(CBM)。 見積もりと請求書は24.75CBMで計算されます。
米国の倉庫の保管料(CFT)。 合計の24.75CBMを1回だけ換算すると、24.75×35.315=874.0CFTです。仮に料率を月0.50ドル/CFTとすると、保管料は月約437ドルになります(料率は説明用に置いた値です)。
LTLのフレイトクラス(lb/ft³)。 3,000kgは約6,614ポンドです。6,614÷874で密度は約7.6lb/ft³です。2025年7月19日施行のNMFC改定(Docket 2025-1)の密度基準では「6以上8未満」の区分にあたるため、クラス125になります。クラスと密度の対応はフレイトクラス表にまとめています。
ここでは総重量を総容積で割って密度を1つだけ出しています。NMFCの原則は荷姿ごとに密度を出す方法で、総重量÷総容積は船積み書類に総重量しか書かれていない場合の例外的な扱いです。
よって、物理的には同じ荷物が、3通の請求書でCBM(海上運賃)、CFT(保管料)、lb/ft³(LTL)の3つの単位で請求されます。換算は合計の容積で1回だけ行い、CBMとCFTの両方を記録しておけば、後で請求書を突き合わせるときに迷いません。
この条件はCBM計算ツールに入力した状態で開けます。画面では合計容積が24.8CBM(24.75を小数点以下1桁で表示)、874.0CFT、重量3,000kg・6,614ポンドと表示されます。
1CBMは何CFTですか?
1CBM(1立方メートル)は35.3147CFT(立方フィート)で、実務では35.315として計算します。CBMからCFTへは「CBM×35.315」、例えば2.4CBMは84.76CFTです。反対に1CFTは0.0283168CBMです。
CFTからCBMへはどう換算しますか?
CFTの数値を35.315で割ります。例えば500CFTなら500÷35.315=14.16CBM、120CFTなら3.40CBMです。0.0283168を掛けても同じ結果になります。
海上輸送はCBM、米国の運送会社はCFTを使うのはなぜですか?
国際海上輸送の見積もり・パッキングリスト・船荷証券(B/L)は、メートル法のCBMで書くのが基本です。一方、米国内のトラック輸送や倉庫はヤード・ポンド法で動いており、LTL(小口トラック輸送)のフレイトクラス(Freight Class)は1立方フィートあたりのポンド数(lb/ft³)で決まります。そのため、米国向けに海上輸送した貨物は、港から先の内陸輸送・保管でCFTに換算し直す必要があります。
40フィートコンテナは何CFTですか?
Hapag-Lloydの公表値で、40フィートドライコンテナの内容積は67.7CBM=2,390CFT、40フィートハイキューブは76.3CBM=2,694CFTです(20フィートは33.2CBM=1,172CFT)。いずれも空のコンテナの内寸から出した名目値で、実際に段ボールを積める容積はこれより小さくなります。
容積トン(M/T)とは?
容積トン(M/T、measurement ton)は容積で数える運賃単位で、米国では40立方フィート(約1.133CBM)、英国では42立方フィートを1容積トンとします。重量のトンでもCFTでもない別の単位です。現在の海上LCLは、1CBMと1,000kgのいずれか大きい方を1R/T(レベニュートン)とする計算が一般的で、容積トンは一部の古いタリフや港湾料金表に残っています。
CBMとCFTはどれくらい大きさが違いますか?
1フィートは30.48cmなので、1CFTは1辺30.48cmの立方体です。この立方体を約35個集めると1CBM(1m×1m×1m)になります。CFTの数値は、同じ貨物のCBMの数値のおよそ35倍になります。
才数とCBM・CFTの関係は?
才(さい)は尺貫法に由来する日本の容積単位で、在来船の港湾荷役料金(ランディングチャージなど)で今も使われることがあります。一般的には「40才=1容積トン=1.133CBM」とされ、この等式では1才が1CFTとほぼ同じ大きさとして扱われています。
インチ寸法から直接CFTを出すには?
縦×横×高さ(インチ)を掛けて、1,728で割ります。1,728は12×12×12で、1立方フィートに入る立方インチの数です。例えば48×40×60インチの荷物は115,200立方インチ÷1,728=66.67CFT(1.89CBM)です。