燃料サーチャージとは?運賃と別に請求される理由
燃料サーチャージ(Fuel Surcharge、FSC)とは、米国のトラック輸送で長距離輸送運賃(linehaul)とは別の行に記載される燃料費の割増料金です。長距離輸送運賃には基準となる軽油価格(基準燃料価格)が織り込まれており、実際の軽油価格がこれを上回った分をサーチャージで補います。そのため、軽油価格が動いても長距離輸送運賃は変わらず、変動はサーチャージ側で吸収されます。
多くの運送会社は、米国エネルギー情報局(EIA)が公表するEIA週次軽油価格(On-Highway Diesel、税込みの小売価格)を計算式の指標に使っています。公表は毎週火曜日の午前10時頃(米国東部時間)で、月曜日時点の価格です。連邦祝日の週は水曜日に公表されます。ただし、EIAは価格を公表するだけで、サーチャージの計算・請求・規制は行っていません。計算方法は会社や契約ごとに異なり、荷主と運送会社の交渉で決まります。
課金方式は大きく2つです。FTL(貸切輸送)では、軽油価格と基準燃料価格の差を燃費(MPG:1ガロンあたりの走行マイル)で割ってマイル単価を出し、走行距離を掛けます。一方、LTL(小口トラック輸送)では、運送会社の燃料サーチャージ表で軽油価格が当てはまる価格帯の率を読み取り、長距離輸送運賃にその率を掛けます。
指標は週1回更新されるため、同じ区間・同じ長距離輸送運賃でも、週によってサーチャージの額が変わることがあります。そのため、見積もりを取った時点と実際に輸送した時点で金額が異なる場合があります。
なお、航空貨物の燃油サーチャージとは別の仕組みです。このツールは米国のトラック輸送(USD・ガロン・マイル)の見積もりや請求書の確認向けです。
燃料サーチャージの計算方法
計算の出発点は、その週のEIA週次軽油価格と、契約で決めた基準燃料価格です。FTL(貸切輸送)では、両者の差を燃費で割ってマイル単価を出します。LTL(小口トラック輸送)では、軽油価格が燃料サーチャージ表のどの価格帯に当てはまるかで率が決まります。
FTLの合計額=(軽油価格 − 基準燃料価格)÷燃費(MPG)×走行距離、LTLのサーチャージ額=長距離輸送運賃×率÷100です。
軽油価格は毎週火曜日に月曜日時点の価格が公表され、週ごとに動きます。例えば2026年9月21日時点の米国平均は$6.529/ガロンで、前週の$6.285から$0.244上がりました。請求書を確認するときは、輸送した週の価格で計算し直しましょう。
- 契約で指定された軽油価格の指標を確認します。通常はEIA週次軽油価格(米国平均または地域別平均)で、近くのスタンドの店頭価格ではありません。
- 契約書で基準燃料価格と燃費(MPG)を確認します。$1.25~1.50/ガロンや6.0MPGといった数字はよく見かける例にすぎないため、契約値を使いましょう。
- 軽油価格から基準燃料価格を引いて、1ガロンあたりの価格差を出します。
- FTLは価格差を燃費で割ってマイル単価を出し、走行距離を掛けます。LTLは燃料サーチャージ表から率を読み取り、長距離輸送運賃×率÷100で計算します。
- 指標は週1回更新されるため、輸送した週の価格で計算し直します。
FTLのマイルあたり燃料サーチャージの計算例
軽油価格$4.25/ガロン、基準燃料価格$1.25/ガロン、燃費6.0MPG、走行距離800マイルの場合で計算します。数値はいずれも説明用の仮定値で、実際の週次価格ではありません。
| 軽油価格(仮定) | $4.25/gal |
| 基準燃料価格(運賃に含む) | $1.25/gal |
| 価格差 | $3.00/gal |
| 燃費 | 6.0 MPG |
| マイル単価=価格差÷燃費 | $3.00÷6.0=$0.50/mi |
| 走行距離(例) | 800 mi |
| 合計=マイル単価×走行距離 | $0.50×800=$400.00 |
よって、マイルあたりの燃料サーチャージは$0.50、800マイルの合計は$400.00となります。請求書では、この金額が長距離輸送運賃とは別の行で加算されます。
FTLのマイル単価方式とLTLの%方式の違い
同じ週の軽油価格を使っても、FTLは走行距離に、LTLは長距離輸送運賃の金額に課金されます。軽油価格の指標は課金方式ではなく、両方式に共通の入力です。
| 項目 | FTL(マイル単価) | LTL(%) | 軽油価格の指標 |
|---|---|---|---|
| 課金の基準 | 走行距離 | 長距離輸送運賃の金額(追加費用を除く例あり) | 課金なし(参照価格) |
| 計算式 | (軽油価格 − 基準燃料価格)÷燃費×走行距離 | 表の率×長距離輸送運賃÷100 | 価格→表の価格帯→率またはマイル単価 |
| 必要な入力 | 軽油価格・基準燃料価格・燃費・走行距離 | 軽油価格・燃料サーチャージ表・長距離輸送運賃 | EIA週次平均 |
| 更新 | 週1回(指標に連動) | 週1回(指標に連動) | 火曜日公表・月曜日時点の価格 |
| 主な用途 | FTL・契約区間 | LTL貨物 | FTL・LTLの表で共通 |
よくある間違い
- FTLのマイル単価とLTLの率を直接比べる:課金の基準が走行距離と運賃金額で異なるため、同じ軽油価格でも1対1では換算できません。
- 近くのスタンドの店頭価格で計算する:運送会社の計算式はEIA週次平均を使うため、個別の店頭価格では請求書の金額と合いません。
- 基準燃料価格を確認しない:サーチャージは長距離輸送運賃に含まれる基準燃料価格を超えた分だけです。基準が低いほど価格差が広がり、サーチャージは高くなります。
- 燃費を高めに見積もる:MPGが大きいほどマイル単価は下がるため、実際より良い燃費で計算するとサーチャージを少なく見積もるおそれがあります。
- 見積もり時の金額で請求書を確認する:指標は週ごとに更新されるため、輸送した週の価格で計算し直す必要があります。
燃料サーチャージとは?
米国のトラック輸送で、長距離輸送運賃とは別の行で請求される燃料費の割増料金です。長距離輸送運賃に織り込まれた基準燃料価格を実際の軽油価格が上回った分を補うもので、軽油価格の変動はサーチャージ側で吸収され、長距離輸送運賃そのものは変わりません。指標の軽油価格を公表するEIA(米国エネルギー情報局)はサーチャージの計算・請求・規制を行っておらず、計算方法は会社や契約ごとに異なります。
燃料サーチャージの計算方法は?
FTL(貸切輸送)では、(軽油価格 − 基準燃料価格)÷燃費(MPG)でマイルあたりの燃料サーチャージを出し、走行距離を掛けて合計額を求めます。例えば、軽油価格$4.25/ガロン、基準燃料価格$1.25/ガロン、燃費6.0MPGの場合、価格差$3.00÷6.0=$0.50/マイルとなり、800マイルでは$0.50×800=$400.00となります(数値は仮定値)。
LTLとFTLの燃料サーチャージの違いは?
課金の基準が違います。FTL(貸切輸送)は走行距離に対してマイル単価で課金し、LTL(小口トラック輸送)は長距離輸送運賃の金額に対して率(%)で課金します。LTLの率は、運送会社の燃料サーチャージ表で週次軽油価格が当てはまる価格帯から決まり、サーチャージ額=長距離輸送運賃×率÷100です。そのため、同じ軽油価格でもマイル単価と率を1対1で換算することはできません。運送会社によっては、率を長距離輸送運賃のみに掛け、追加費用には掛けない例もあります(Estesの場合)。
燃料サーチャージはどのくらいの頻度で変わりますか?
週1回です。指標となるEIA週次軽油価格は、毎週火曜日の午前10時頃(米国東部時間)に月曜日時点の価格が公表されます(連邦祝日の週は水曜日)。運送会社が新しい価格を適用するタイミングは会社ごとに決まっており、例えばEstesでは火曜日に公表された価格を翌水曜日から適用します。同じ区間・同じ運賃でも週ごとに金額が変わるため、見積もり時と輸送時でサーチャージが異なる場合があります。
基準燃料価格とは?
サーチャージがゼロになる基準の軽油価格で、長距離輸送運賃にすでに含まれているとみなされる燃料価格です。基準燃料価格が低いほど実際の軽油価格との差が大きくなり、サーチャージは高くなります。逆に高いほど、燃料費の変動を長距離輸送運賃の中で多く吸収することになります。$1.25~1.50/ガロンといった数字を見かけることがありますが、あくまで例です。実際の値は契約書で確認しましょう。
計算にはどの軽油価格を使いますか?
多くの運送会社が計算式に使うのは、EIA(米国エネルギー情報局)が毎週公表するOn-Highway Dieselの小売価格(税込み)です。EIAは米国平均のほか地域(PADD)別の平均も公表しており、2026年9月21日時点では米国平均$6.529/ガロンに対し、West Coast(PADD5)$7.456、Gulf Coast(PADD3)$6.177でした。契約で地域平均が指定されていればその値を使います。特定のガソリンスタンドの店頭価格は契約上の基準と一致しません。
航空の燃油サーチャージとの違いは?
対象の輸送モードと課金の単位が違います。航空貨物の燃油サーチャージは、課金重量(C/W)1kgあたりの単価で請求されます。一方、このページで扱う燃料サーチャージは米国のトラック輸送のもので、FTLは走行距離(マイル)あたり、LTLは長距離輸送運賃に対する率(%)で請求されます。
出典
計算はすべてお使いのブラウザ内で行われ、数値は公開されている規格や運送会社の公表値、代表的な公称値に基づくため、ブッキングの前に、利用する船会社・航空会社・運送会社の数値とご照合ください。
最終確認日:
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