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CBMとは?物流の立米(立方メートル)をわかりやすく解説

CBM(立米)の計算方法、運送人が使う理由、そして運賃にどう結びつくのかを解説します。

Updated 2026-08-23

本当に支払っているのは「重さ」ではなく「スペース」

基本的な考え方から説明します。ここが分かれば、あとはすんなり理解できます。CBM(Cubic Meter、立方メートル、m³。日本国内では「立米(りゅうべい)」とも呼ばれます)は、フォワーダー・航空会社・船社が貨物の占有スペースを測るために使う標準単位です。重量とは別の指標であり、この違いこそが CBM という単位が存在する理由です。コンテナ、トラックの荷台、航空機の貨物室は、いずれも重量の上限に達するよりも先にスペースが埋まってしまいます。そのため運送人は、キログラム建てで重量を課金するのと同じくらい明確な方法で、占有したスペースに対して課金する仕組みを必要とします。それが CBM です。

見積書のほとんどで CBM の数値を目にすることになります。海上輸送の見積は必ず CBM の数値から始まりますし、航空輸送・陸上輸送の見積の多くも同様です。CBM を見れば、必要なコンテナ本数、貨物が LCL(コンテナ1本に満たない混載貨物)扱いになるかコンテナ1本貸切になるか、そして重量が絡んでくる段階になれば 1 kg あたり・1 立方メートルあたりいくら支払うことになるかが分かります。

CBM の計算方法

計算式はいたってシンプルです。

CBM = L(m) × W(m) × H(m) × quantity

カートンまたはパレットの外寸をメートル単位で用意し、長さ×幅×高さを掛け合わせ、さらに同一規格の個数を掛けます。カートンやパレットの種類ごとにこの計算を行い、それぞれの値を合計したものが出荷全体の CBM です。

CBM の測り方: 梱包後のカートンの外寸 L × W × HL = 60 cmH = 40 cmW = 40 cmCBM = L × W × H × qty0.60 m × 0.40 m × 0.40 m= 0.096 m³/カートン× 100 カートン = 9.6 CBM
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ここは新人が特につまずくポイントなので、必ず頭に入れておいてください。運送人が計測するのはスペックシート上の製品の正味サイズではなく、梱包後の外寸です。データシートには 58 × 38 × 38 cmと書かれていても、パレタイズやシュリンクラップ、輸出用の外箱を施した時点で、運送人が課金の根拠にする寸法はそれより大きくなります。トラックやコンテナに実際に載る状態を測ってください。商品ページに記載された寸法を使ってはいけません。

もう一つ、気付かないうちに CBM の数値を狂わせるのが単位の混在です。パッキングリストは作成者によってセンチメートル・ミリメートル・インチが入り混じって届くことが多く、その中の一箇所でも単位変換を忘れると、合計は端数程度の誤差ではなく桁違いに間違った数値になります。単位を一つに統一し、掛け算の前にすべての寸法をその単位に変換してください。特に自分の巻尺ではなく工場のパッキングリストから来た数値には、念入りに目を通すことをおすすめします。

1 立方メートルがどのくらいの大きさなのか、感覚として持っておくと役立ちます。よく使われる輸出用カートンサイズが実際にどのくらいの CBM になるかを以下にまとめました。計算自体は単純な掛け算なので、見積用のスプレッドシートの横に控えておく価値があります。

梱包後サイズ(cm)1 個あたりの CBM100 個あたりの CBM
30 × 20 × 20 カートン0.0121.2
40 × 30 × 30 カートン0.0363.6
50 × 40 × 30 カートン0.0606.0
60 × 40 × 40 カートン0.0969.6
60 × 50 × 40 カートン0.12012.0
120 × 100 × 150 積み付け済みパレット1.800180.0

このパレットの行に注目してください。標準的な積み付け済みパレット 1 枚だけで、容積はほぼ 2 立方メートルに達します。小口の貨物であっても、出荷元でパレタイズすることで課金対象の容積が倍増しかねない理由はここにあります。この数値の背景にあるパレットの寸法については、 標準パレットサイズガイドで詳しく解説しています。

60 × 40 × 40 cm のカートン 100 個で計算してみる

実際の数値で計算してみましょう。長さ 60 cm、幅 40 cm、高さ 40 cm、重量 8 kg のカートンを 100 個出荷するとします。パレット積み付けされる一般貨物としてはごく標準的なカートンです。まずはカートン 1 個分から計算します。

0.60 m × 0.40 m × 0.40 m = 0.096 m³

これを 100 カートン分に掛けると、0.096 × 100 = 9.6 CBM になります。実重量(総重量)は 8 kg × 100 = 800 kg です。途中の計算過程をすべて確認したい場合は、 この例をそのまま CBM 計算ツールで開くことができます。

これを海上輸送のレベニュートン(R/T)の考え方と比べてみます。海上輸送では課金上 1 CBM を 1,000 kg とみなします。9.6 CBM のこの貨物は、実際の計量値の 800 kg のおよそ 12 倍にあたる 9,600 kg として課金されることになります。これはまさに教科書的な「容積貨物(volume cargo)」の典型例です。軽くてかさばり、重量ではなく占有スペースに対して課金されます。ご自身の貨物の寸法を CBM 計算ツールに入力すれば、同じ計算がそのまま動くのを確認できます。

CBM が想定より高くつく落とし穴

LCL の最低運賃は 1 CBM を下回らない

コンテナ 1 本に満たない貨物を輸送する場合、多くの運送人・混載業者は、貨物が 0.9 CBM であろうと 0.1 CBM であろうと関係なく、最低課金容積(通常は 1 CBM または 1 レベニュートン)を課金します。つまり、0.3 CBM の貨物と 0.9 CBM の貨物が、まったく同じ請求額になることもあり得ます。普段の貨物量が 1 CBM を大きく下回っているのであれば、複数の注文をブッキング前にまとめておく方が、この最低運賃を毎回支払うよりもほぼ確実に有利です。なお注意点として、一部の混載業者は最低運賃を出荷単位ではなく品目単位で適用します。2 件の小口注文が 1 件分の料金でまとめて運べると決めつけず、事前に料金体系を確認してください。

容積と重量の換算比率は輸送モードで変わる

この 1,000 kg/m³ という換算は、海上輸送だけのルールです。航空輸送ではもっと厳しい 6,000 cm³/kg という容積換算係数が使われ( IATA の基準で、約 167 kg/m³ に相当します)、DHL・FedEx・UPS のような国際宅配便(クーリエ)は、さらに厳しい 5,000 という換算係数を使います。先ほどと同じ 9.6 CBM の貨物でも、海上・航空・国際宅配便のどれで送るかによって課金額はまったく変わります。この容積換算係数の計算がどのように展開し、なぜ請求額が倍になり得るのかは、 チャージャブルウェイトの解説ガイドで詳しく説明しています。

同じ 9.6 CBM の貨物を輸送モードごとに課金した場合同じ貨物(9.6 CBM、実重量 800 kg)を輸送モード別に課金:実重量800 kg航空(÷ 6,000)1,600 kg国際宅配便(÷ 5,000)1,920 kg海上(1 m³ = 1,000 kg)9,600 kg
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このグラフを見れば、パレット 1 枚を船便で送れば安く、空輸すると一気に高くなる理由がよく分かります。

この例をチャージャブルウェイト計算ツールで開き

、航空・国際宅配便・海上を切り替えてみてください。貨物そのものは変わらないのに、課金対象の重量が大きく変動する様子が確認できます。

倉庫では貨物を再計測し、必ず切り上げる

見積段階でフォワーダーに伝えた CBM が、実際に貨物が到着した際に CFS 倉庫や混載業者が計測する CBM と一致するとは限りません。貨物は混載拠点でメジャーやレーザー計測器によって再計測され、多くの運送人は計算前に各寸法をセンチメートル単位で切り上げます。カートン 1 個であれば誤差はごくわずかですが、100 個分になるとあっという間に積み上がります。そのため、自分の数値からコストを見積もる際は 3〜5% 程度の余裕を見ておき、申告した CBM が到着時の計測値を大きく下回っていた場合に追加請求(デビットノート)が来ても慌てないようにしましょう。

深センの Amazon FBA 出品者による CBM 活用事例

CBM が実際の判断にどう使われるか、具体例で見てみましょう。ある Amazon FBA 出品者は、深セン周辺に 3 社のサプライヤーを持っており、いずれも同じ週に生産を終えます。3 社を合計すると 45 × 35 × 30 cm、9 kg のカートン 420 個(1 社あたり 140 個)となり、合計でおよそ19.8 CBM、3,780 kg になります( この統合出荷を CBM 計算ツールで開く )。別々に発送すると、各サプライヤーの分がそれぞれ独立した LCL ブッキングになり、書類作成費・現地ハンドリング費がそれぞれにかかるうえ、最も小口の注文には再び 1 CBM の最低運賃が適用されます。

これらを 1 件のブッキングにまとめると、2 つの点でコストが改善します。第一に、3 件分かかっていた固定費が 1 件分で済みます。第二に、およそ 19.8 CBM まで貨物量が増えると、20ft コンテナ1本貸切(FCL)が LCL と競合し始める水準に達します。仮にこの航路の LCL 運賃が 1 レベニュートンあたり 55 ドルだとすると、海上運賃だけでおよそ 1,090 ドルになり、これに LCL では CBM 建てで加算される仕出地・仕向地の各種チャージが上乗せされます。一方 20ft コンテナ(ノミナル容積 33.2 m³、実際にはカートンで 25〜28 CBM 程度)であれば、この貨物全体を余裕を持って積み込め、総額はしばしば同程度でありながら、混載特有のハンドリングは発生しません。損益分岐点の詳細は FCL と LCL の比較ガイドで、コンテナ1本あたりの実際の積載可能量がノミナル値を下回る理由は コンテナあたりの CBM 積載量ガイドで解説しています。コンテナの内寸は ISO 668 で規格化されているため、この 33.2 m³ という数値は船社が変わっても一定です。

この教訓は、この出品者に限った話ではありません。CBM はパッキングリストの一項目にとどまらず、その週の生産分を国際宅配便・LCL・コンテナのどのブッキング形態で送るのが最も安いかを決める入力値そのものです。発注ごとの CBM を常に集計している出品者は、こうした統合のタイミングを逃しません。一方、注文が届くたびにその都度ブッキングしている出品者は、最低運賃や固定費を何度も支払う結果になります。

CBM が単純な L × W × H で済まないケース

見積を確定する前に必ず確認しておきたい、CBM が思わぬ数値になりやすい状況がいくつかあります。

  • 不定形貨物は外接直方体で課金されます。 レバーが突き出た機械、丸めたカーペット、自転車などは、運送人がその貨物を収められる最小の直方体を想定し、最大の長さ・幅・高さを基準に計測します。その直方体の中の空きスペースもすべて課金対象の容積に含まれます。

  • 柔らかいカートンは膨らみます。 繊維製品をぎっしり詰めた 60 cm のカートンは、計測器では 62〜63 cm と表示されることがあります。数百カートン分になると、この膨らみだけでパッキングリストには現れなかった数パーセントの課金対象 CBM が上乗せされるのが通常です。

  • スキッドや木枠(クレート)も計測対象です。 貨物がスキッドの上に乗っている場合やクレートの中に収まっている場合、スキッドの高さやクレートの壁の厚みも測定寸法に含まれます。課金されるのは中身ではなくクレート自体の寸法です。梱包方法の選び方がコストに直結する仕組みは 容積重量の解説ガイドで説明しています。

  • 非常に長い・高い貨物には、CBM 以外のサーチャージが発生することがあります。 多くのタリフでは、1 個の荷姿が一定の長さ・高さのしきい値を超えると、容積チャージに加えて OOG(オーバーゲージ)割増や長尺割増が課されます。そのため、6 メートルの長尺物は CBM から想定される金額よりも高くつくことがあります。

自分の貨物で計算してみる

CBM 計算ツール では、最大 20 種類のカートンを同時に入力してこの計算式を実行でき、航空・国際宅配便・海上それぞれの容積重量に加えて、20ft・40ft・40HC のどのコンテナが何本必要かも一度に確認できます。実重量と容積重量のどちらで課金されるのかを詳しく知りたい方は、次に チャージャブルウェイトの解説ガイドを読んでみてください。

海上輸送における CBM とは何の略ですか。

Cubic Meter(立方メートル)の略です。1 辺 1 メートルの立方体の体積を指し、貨物書類では貨物の容積を表す標準単位として CBM が使われます。LCL 海上輸送では通常、CBM 建てまたは 1,000 kg 建てのいずれか高い方の運賃で計算されます。

センチメートルの数値から CBM を計算するにはどうすればよいですか。

長さ×幅×高さ(センチメートル)を掛け合わせ、1,000,000 で割ります。60×40×40 cm のカートンは 96,000 cm³ となり、これは 0.096 CBM です。出荷全体の合計を求める場合は、この値にカートン数量を掛けます。

海上輸送で 1 CBM は何 kg に相当しますか。

課金上、LCL 海上輸送では 1 CBM を 1,000 kg とみなします。これがレベニュートン(R/T)、すなわち W/M(重量建て・容積建ての大きい方)の考え方です。密度が 1,000 kg/m³ を超える貨物は、実重量で課金されます。

20ft コンテナには何 CBM 積めますか。

ノミナル(公称)の内容積は 33.2 m³ です。実際のカートンを平積みした場合はおおむね 25〜28 CBM が目安となり、パレット積み付けの場合はさらに少なくなります。

LCL 輸送の最低 CBM はどのくらいですか。

多くの混載業者は、実際のサイズにかかわらず 1 出荷あたり最低 1 CBM(または 1 レベニュートン)を課金します。0.3 CBM の貨物も 0.9 CBM の貨物も、通常は同じ海上運賃になります。そのため、ブッキング前に小口の注文をまとめておくとコストを抑えられます。

CBM と容積重量は同じものですか。

いいえ、異なります。CBM は容積そのものを立方メートルで表した値です。容積重量は、その容積を容積換算係数(航空輸送は 6,000 cm³/kg、国際宅配便は通常 5,000 cm³/kg)を使って課金対象の重量(kg)に換算した値であり、海上輸送では 1 CBM = 1,000 kg として扱います。