CBMとは?貨物の「大きさ」を表す単位
CBM(立方メートル)とは、Cubic Meterの略で、貨物の容積を表す単位です。読み方は「シービーエム」。1CBMは1辺が1mの立方体の体積で、m³(M3)と同じ量です。cm³に直すと1,000,000cm³になります。
CBMが測るのは重さではなく、貨物が占める空間です。コンテナやトラックの荷台、航空機の貨物室は、重量の上限より先にスペースが埋まってしまうことが少なくありません。軽くてかさばる貨物を積むと、重さに余裕があっても積む場所がなくなります。そのため、運送会社は占有するスペースに対しても料金を取る必要があるのです。重量(kg)と容積(CBM)は別の物差しで、この2つを分けて考えることがCBMを理解する出発点です。
見積もりでは、CBMが次の判断の基礎になります。
- LCL(混載)の運賃計算
- 必要なコンテナの本数
- LCLとFCL(フルコンテナロード)のどちらを選ぶか
- 重量と比べて、どちらを基準に運賃を計算するか
なお、FCLの海上運賃はコンテナ1本あたりの料金で、容積による換算は使いません。また、在来船の荷役料などでは才数(さいすう)という単位も使われ、40才が1.133CBMにあたります。CargoSumのツールは才数には対応していません。
CBMの計算方法
CBMは縦・横・高さを掛け、個数を掛けて求めます。
CBM=縦(m)×横(m)×高さ(m)×個数
cmで測った場合は、最後に1,000,000で割ります。
CBM=縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)×個数÷1,000,000
寸法の違う品目が混じる出荷では、品目ごとにCBMを出してから合計します。これが出荷全体の総CBMです。
測るのは梱包後の外寸
船会社・航空会社・フォワーダーが測るのは、引き渡すときの状態での外寸です。梱包材、パレット、ストレッチフィルム、外装まですべて含みます。製品仕様書に載っている商品本体の寸法や正味重量(Net Weight)は基準になりません。仕様書では58×38×38cmの商品でも、段ボールに入れれば60×40×40cm以上になります。
単位の混在に注意
パッキングリストにcm・mm・インチが混ざっていると、1辺でも換算を忘れた時点で結果が狂います。mmの値をcmとして読むと、その1辺だけで10倍、3辺すべてなら1,000倍です。インチをcmとして読んだ場合は、1辺ごとに2.54倍ずれます。掛け算の前に、単位を1つにそろえましょう。
よく使う荷姿のCBMは次のとおりです。
| 荷姿(cm) | 1個あたりのCBM | 100個あたりのCBM |
|---|---|---|
| 30×20×20 段ボール | 0.012 | 1.2 |
| 40×30×30 段ボール | 0.036 | 3.6 |
| 50×40×30 段ボール | 0.060 | 6.0 |
| 60×40×40 段ボール | 0.096 | 9.6 |
| 60×50×40 段ボール | 0.120 | 12.0 |
| 120×100×150 積み付け済みパレット | 1.800 | 180.0 |
最後の行は、1200×1000mmのパレットに、パレットを含めた高さ150cmまで貨物を積み付けた状態です。パレット1枚で1.8CBMになります。パレットのデッキの高さと、積み付けで生じるすき間も測定値に含まれるため、少量の出荷ほどパレタイズ後のCBMが大きく増えることがあります。どこまで増えるかは貨物によって異なります。パレットの床面寸法はパレットサイズの規格で紹介しています。
計算例:段ボール100個の出荷
60×40×40cmの段ボールが100個、1個8kgの場合で計算します。
- 1個あたり:60×40×40=96,000cm³=0.096CBM
- 100個:0.096×100=9.6CBM
- 総重量:8kg×100=800kg
海上LCLの運賃は、W/M(Weight or Measurement:重量または容積の大きい方)で計算します。1CBM=1,000kgとみなし、CBM数とトン数のいずれか大きい方をレベニュートン(Revenue Ton:R/T)とする方式です。この出荷は9.6CBM・0.8トンなので、9.6R/T(9,600kg相当)になります。実重量800kgの12倍にあたり、軽くてかさばる容積貨物の典型といえます。反対に、1CBMあたり1,000kgより重い貨物はトン数のほうが大きくなり、重量で運賃が決まります。
この条件を入力したCBM計算ツールを開くと、9.60m³(339.0立方フィート)、総重量800kg、容積重量は航空1,600kg・クーリエ1,920kg・海上9,600kgと表示されます。コンテナは20フィート1本(使用率約29%)に収まる判定です。自社の貨物はCBM計算ツールで計算できます。
CBMが運賃を押し上げる3つの場面
LCLの最低料金(ミニマム)
LCLでは、1CBM(1R/T)未満の貨物でも1CBMとして請求されるのが一般的です。0.3CBMでも0.9CBMでも、海上運賃は同じになります。地域によっては最低3CBMという例もあります。ミニマムを出荷1件ごとにかけるか品目ごとにかけるか、その水準をいくらにするかは、混載業者やフォワーダーの条件によって異なります。見積もりの「Minimum」「Min. Charge」欄を確認しましょう。
1CBMに届かない物量を何度も送る場合は、複数の注文をまとめて混載し、1回でブッキングすると最低料金を繰り返し払わずに済みます。ただし、品目ごとにミニマムがかかる条件もあるので、事前の確認が必要です。
輸送方法で換算重量が変わる
航空と国際宅配便(クーリエ)では、体積を除数で割ってkgに換算します。これが容積重量です。
- 航空:cm³÷6,000=kg。IATAが「一般的なルール(general rule)」として示している値です。容積重量と実重量が等しくなる密度は約167kg/m³です。
- クーリエ:cm³÷5,000=kg。容積重量と実重量が等しくなる密度は200kg/m³です。例えばUPS(英国)は5,000を使い、米国のUPSはin³/lb単位の係数139・166を使います。
- 海上LCL:1CBM=1,000kg
1CBMあたりに直すと、海上1,000kg、クーリエ200kg、航空約167kgです。1CBMあたりの換算重量は海上が最も大きく、クーリエは航空の1.2倍になります。除数(cm³/kg)と密度(kg/m³)は逆数の関係にあります。
先ほどの9.6CBM・800kgの出荷で比べてみます。体積は9,600,000cm³なので、航空は÷6,000で1,600kg、クーリエは÷5,000で1,920kg、海上は9,600kg相当(9.6R/T)です。どの輸送方法でも容積重量が実重量を上回るため、Chargeable Weight(賃率適用重量、C/W)は容積重量側になります。0.5kg単位の切り上げも、この例は割り切れる値なので影響しません。
換算重量は海上が最も大きくなりますが、kgあたりの料率は輸送方法ごとに異なります。軽くてかさばる貨物は海上が有利、航空が不利になりやすいのはこのためです。費用は換算重量に料率を掛けた金額で比べましょう。除数による換算とC/Wの決まり方はChargeable Weightの解説にまとめています。同じ例を容積重量計算ツールで開くと、実重量800.0kg、容積重量1,600.0kg、C/W 1,600.0kgと表示され、クーリエ(1,920.0kg)や海上(9,600.0kg)にも切り替えられます。
CFSでの再計測と端数処理
見積もりの段階で申告したCBMと、CFSや混載業者が搬入時に測ったCBMが一致しないことがあります。メジャーや計測機器で測り直した結果に差があれば、デビットノート(追加請求書)で差額を請求される場合があります。
寸法の端数処理は運送会社によって異なります。大韓航空は小数第1位をもとに最も近い1cm単位へ丸めるため、切り上げになる場合も切り捨てになる場合もあります。UPS(英国)の案内には「nearest whole number」と「rounding up to the nearest centimetre」の両方の記載があります。1個ごとの差は小さくても、段ボールの数だけ積み重なります。自社で測った寸法で費用を見積もるなら、経験則として3~5%ほどの余裕を見ておくと安心です。
活用例:3つの仕入先の貨物をまとめる
Amazon FBA向けに、3つの仕入先から各140個、計420個を出荷するケースで考えます。段ボールは45×35×30cm、1個9kgです。
- 1個あたり:45×35×30=47,250cm³=0.04725CBM
- 420個の合計:19.845CBM(約19.8CBM)、3,780kg
- 仕入先ごと(140個):6.615CBM、1,260kg
海上LCLでは、19.845CBMが3.78トンを上回るので容積で運賃が決まります。仮の料率として1R/Tあたり55ドルを当てはめると、19.845×55=1,091.48ドル、約1,090ドルです。これは海上運賃部分だけで、CFS料金やTHCなど発地・着地の諸費用は別にかかります。55ドルは説明用の仮の数字で、相場ではありません。
仕入先ごとに3件に分けてブッキングすると、DOC FEE(書類作成費)や発地の取扱料など、1件ごとにかかる固定費を3回払うことになります。1件にまとめれば1回で済みます。さらに約19.8CBMは、20フィートコンテナも検討に入る物量です。20フィートの名目容積は33.2CBM(Hapag-Lloydの値で、ツールも同じ値。ONEは33.1CBM)です。段ボールを実際に積める量は一般的に25~28CBM程度とされ(業界の目安)、19.8CBMなら全量が入ってスペースも残ります。
コンテナの外寸(外側の寸法)、内法寸法(内寸)の最小値、最大総重量(Max. Gross Weight)はISO 668で定められています。船会社ごとの名目容積は33.2CBMと33.1CBMでほぼ同じですが、完全に一致するわけではありません。
3社分の合計を入力したCBM計算ツールでは、19.8m³(700.8立方フィート)、3,780kg、20フィート1本(使用率約60%)と表示されます。複数の発注書(PO)の物量をCBMで合計してから、クーリエ・LCL・コンテナのどれで送るかを決めましょう。FCLとLCLの分岐点はFCLとLCLの違い、実際に積めるCBMが名目容積より小さくなる理由はコンテナ1本に入るCBMで解説しています。
単純な縦×横×高さにならない貨物
形がいびつな貨物: 出っ張りを含めた最大の縦・横・高さで囲んだ直方体、つまり外寸で測ります。レバーが突き出た機械、丸めたカーペット、自転車などは、内側のすき間まで課金対象の容積になります。
膨らんだ段ボール: 衣料品を詰め込みすぎた段ボールは、公称寸法より大きく測られます。60cmのはずが62~63cmになる例もあり、箱数が多いと合計で数%の差になることがあります。
スキッド・木箱: スキッド(貨物の下に付ける木製の台)の高さや木箱の板の厚みも寸法に含まれます。課金の基準は中身ではなく木箱の大きさです。梱包の選び方と費用の関係は容積重量の解説を参照してください。
長尺・背高の貨物: 長さや高さがタリフの基準を超えると、CBMとは別にオーバーゲージ(高さや幅が規格を超える貨物)としての料金や長尺割増がかかる場合があります。基準はタリフごとに異なります。例えば長さ6mの資材は20フィートの内寸(約5.9m)を超えるので20フィートには積めず、40フィート系(内寸約12.0m)が必要です。
手元の貨物でCBMを計算するには
CBM計算ツールでは、寸法の違う品目を最大20行まで入力できます。縦・横・高さ・個数・1個あたりの重量を入力すると、総CBM、立方フィート、総重量、航空・クーリエ・海上の容積重量が表示されます。20フィート、40フィート、40フィートハイキューブ、45フィートハイキューブの4種類について、必要なコンテナの本数も確認可能です。C/Wの比較や運賃の料率は含まれません。容積重量と実重量のどちらで運賃が決まるかは、Chargeable Weightの解説で詳しく紹介しています。
CBMとはどういう意味ですか?
CBMはCubic Meterの略で、立方メートル(m³)を表す容積の単位です。1CBMは1辺1mの立方体の体積で、cm³に直すと1,000,000cm³です。海上LCLではW/M(重量または容積の大きい方)で運賃を計算し、1CBM=1,000kgとみなして容積と重量を比べます。
CBMの読み方は?
「シービーエム」と読みます。Cubic Meter(立方メートル)の頭文字をとった略語で、貨物の容積を表す物流の単位です。
CBMとM3の違いは?
量としては同じです。CBMもM3(m³)も立方メートルを指し、1CBM=1m³です。違いは表記だけで、CBMは物流の見積書や書類で使う略語、M3(m³)は単位記号としての書き方です。
cmの寸法からCBMを計算するには?
縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)×個数÷1,000,000で求めます。例えば60×40×40cmの段ボールは96,000cm³=0.096CBMで、100個なら9.6CBMです。寸法の違う品目が混じる場合は、品目ごとに計算して合計します。
1CBMは何kgとして扱われますか?
海上LCLでは1CBM=1,000kgとみなし、CBM数とトン数のいずれか大きい方をR/T(レベニュートン)として運賃を計算します。1CBMあたり1,000kgより重い貨物は、実重量のトン数で運賃が決まります。
20フィートコンテナには何CBM入りますか?
20フィートコンテナの名目容積は33.2CBMです(船会社によっては33.1CBM)。段ボールを実際に積める量は一般的に25~28CBM程度とされますが、業界の目安で保証値ではありません。パレット積みにするとさらに少なくなります。
LCLは何CBMから請求されますか?
1CBM(1R/T)未満の貨物でも1CBMとして請求されるのが一般的で、地域によっては最低3CBMの例もあります。適用単位や水準は混載業者・フォワーダーの条件によって異なるため、見積もりのミニマム欄を確認しましょう。少量の出荷を繰り返す場合は、複数の注文をまとめて1回でブッキングすると最低料金の繰り返しを避けられます。
CBMと容積重量は同じですか?
同じではありません。CBMは貨物の体積そのもので、容積重量はその体積を一定の除数で割ってkgに換算した値です。航空はcm³÷6,000、国際宅配便(クーリエ)はcm³÷5,000、海上LCLは1CBM=1,000kgで換算します。