解説記事 / コンテナの重量制限とVGM(コンテナ総重量検証)の実務

コンテナの重量制限とVGM(コンテナ総重量検証)の実務

コンテナの自重・最大積載重量・最大総重量・正味重量の違い、コンテナの規格より先に道路の重量制限が効く理由、VGMの2つの算定方法と申告のポイントを、計算例付きで解説します。

更新日:2026-09-26

目次

コンテナの重量制限は、1つの数字で決まるわけではありません。積める重量の上限は3つあり、コンテナの構造上の上限、道路輸送の重量制限、そしてVGM(コンテナ総重量)の申告です。これに加えて、上限とは別に、コンテナ内で重量をどう配分するかという制約があります。

見落としやすいのが道路の重量制限です。40フィートコンテナの最大積載重量は約28.8tですが、米国の道路を標準的なシャシーで運ぶ場合、貨物は約19~20t(実務上の目安)にとどまります。積載量を決める基準はコンテナの規格ではなく、輸送ルートの中で一番低い道路の上限です。この記事では、重量物や密度の高い貨物をFCL(フルコンテナロード)で輸出する荷主・フォワーダー向けに、重量の用語、道路の上限、VGMの申告方法、重量配分の順に解説します。

※この記事は一般的な実務情報で、法的助言ではありません。道路の上限や許容誤差は国によって異なります。

コンテナの自重・最大積載重量・最大総重量の違いとは?

コンテナの重量を表す言葉は4つあります。混同しやすいので、まず整理しておきましょう。

  • 自重(Tare Weight):空のコンテナそのものの重量です。コンテナの扉に表示されています。
  • 最大積載重量(Max. Payload):構造上、そのコンテナに積める貨物の最大重量です。
  • 最大総重量(Max. Gross Weight):自重と最大積載重量を足した値で、CSCプレート(CSC安全承認板)に記載されている等級です。
  • 正味重量(Net Weight):梱包などを除いた貨物だけの重量です。

VGMは、貨物・梱包材・パレット・緩衝材・固定材の重量にコンテナの自重を足したものです。正味重量とも、最大総重量とも別の数字です。

コンテナの種類自重最大積載重量最大総重量
20ft Dry(20DC)2,350kg28,130kg30,480kg
40ft Dry(40DC)3,750kg28,750kg32,500kg
40ft High Cube(40HC)3,900kg28,600kg32,500kg

※数値は船会社(Hapag-Lloyd)の仕様例です。同じ種類でも自重はコンテナ1本ごとに違い、修理や床の張り替えでも変わります。実際の値は、各コンテナの扉の表示とCSCプレートを優先してください。CargoSumの積載計算ツールは20DCで自重2,280kg・最大積載重量28,200kg、40DCで3,700kg・28,800kg、40HCで3,880kg・28,620kgを使っています。サイズごとの内寸や自重はコンテナの寸法一覧にまとめています。

コンテナの規格はISO 668で定められています。ISO 668の最大総重量の上限は36,000kg(10フィートを除く)で、以前は30,480kgでした。これはあくまで規格上の上限です。個々のコンテナの等級(30,480kgや32,500kgなど)は、CSCプレートの記載で確認します。

40フィートでも20フィートとほぼ同じ重量しか積めない

40フィートは20フィートの約2倍の容積がありますが、積める重量はほとんど変わりません。同じ船会社で比べると、最大総重量32,500kgの40DCは28,750kg、30,480kgの20DCは28,130kgで、40フィートのほうが620kg多いだけです。別の船会社の30,480kg等級の40DCは26,840kgで、同じ会社の20DC(28,330kg)より1,490kg少なくなります。

重量の等級を決めるのは、コーナーキャスティング(四隅の金具)とフレームの強度です。容積とは関係がありません。そのため密度の高い貨物は、40DCを1本使うより20DCを2本に分けたほうが多く運べます。

ステップ1:道路の重量制限を先に確認する

コンテナに28.8t積めても、その重量で港まで運べるとは限りません。道路の重量制限は、貨物だけでなくトラクター・シャシー・コンテナを含めた車両全体にかかります。そのため、道路の上限のほうがコンテナの最大積載重量より先に効くことがよくあります。

米国

州間高速道路(Interstate)では、車両総重量の上限が80,000ポンド(約36,287kg)です。この数字には、トラクター(トレーラーヘッド)・シャシー・コンテナの自重・貨物がすべて含まれます。さらに単軸で20,000ポンド、タンデム軸で34,000ポンドの軸重(車軸ごとの重量)の上限があり、軸の配置に応じた計算式(Bridge Formula)も適用されます。

欧州

EUの指令(96/53/EC)では、国際輸送の5軸・6軸連結車の最大許容重量は40tです。40フィートコンテナの複合輸送(鉄道や船と組み合わせた輸送)で、3軸トラクターに2軸・3軸のセミトレーラーを連結する場合は44tまで認められています。

日本

重要物流道路に指定された区間では、国際海上コンテナ車(40フィート背高)は特殊車両通行許可を受けずに通行できます。この区間の一般的制限値は、総重量が最大44t、軸重が最大11.5t、長さが16.5mです。指定区間以外を通る場合は、ルートごとに確認しましょう。

貨物として積める重量の目安

車両とシャシーの自重を差し引いて考えると、道路輸送で積める貨物の重量は次のくらいが実務上の目安です。いずれも公的な数値ではなく、車両の自重を仮定した推定です。

  • 米国・40フィート:約19~20t
  • 米国・20フィート:約17~19t
  • 欧州:約25~29t

これを超える重量を運ぶ場合、米国では3軸シャシーを使う方法や、分割できない貨物について特別な通行許可(Overweight Permit)を取る方法があります。いずれも追加費用がかかるため、見積もりの段階で確認が必要です。

どの重量上限が効くか:コンテナの最大積載重量と道路の上限40DC 最大積載重量28.8t欧州の道路(実務目安)25~29t米国の道路(実務目安)19~20tブッキング例 25t米国区間で約5t超過0t10t20t30t海上と欧州の多くの区間は通れるが、米国の標準シャシーでは超過。一番低い上限が効く
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もう1つ注意したいのは、積み出し国の道路です。仕向け地の道路で問題のない重量でも、工場から港までの区間では違反になることがあります。重量は輸送ルートの両端で確認しましょう。

まとめると、積める重量の上限はコンテナの規格ではなく、全行程で一番低い道路の上限です。容積より先に重量の制限に達するのか、重量より先に容積の制限に達するのかは、両方を同時に確認しないと判断できません。コンテナ積載計算ツールでは、段ボールの縦・横・高さ、1箱の重量、個数を入力してコンテナの種類を選ぶと、積める個数と、容積・重量それぞれの積載率が表示されます。重量と容積のどちらが先に上限に達したかもわかります。道路の上限を入力する欄はないため、結果はコンテナの最大積載重量を基準にした値です。道路の上限は別途当てはめてください。容積の側から見た目安はコンテナに何CBM入るかで解説しています。

計算例:道路の上限がコンテナの最大積載重量より先に効く

次の条件で40DCに積む場合を考えます。

  • 段ボールの寸法:60×40×40cm
  • 1箱の重量:65kg
  • 個数:600箱
  • コンテナ:40DC(ツールの最大積載重量は28,800kg)

重量を考えなければ、ツールの計算では550箱(容積ベースの積載率78.1%)まで入ります。向きを揃えて単純に並べるだけでも、20×5×5=500箱は入ります。

ところが重量で見ると、先に最大積載重量に達します。

28,800kg ÷ 65kg → 443箱(小数点以下切り捨て)
443箱 × 65kg = 28,795kg

ツールでも重量が先に上限に達したと判定され、容積ベースの積載率は62.9%です。コンテナの約3分の1が空いたままになります。

さらに米国の道路を通る場合、道路の上限を19.5t(実務目安19~20tの中間)と仮定すると、積めるのは次のとおりです。

19,500kg ÷ 65kg = 300箱

443箱(約28.8t)を積むと、道路の上限を約9.3t超えることになります。コンテナの規格上は問題のない積載でも、米国内の陸送では運べません。

20DCに分けた場合はどうでしょうか。ツールで計算すると、20DC 1本に入るのは258箱で、重量は16,770kg(16.77t)です。米国で20フィートを運ぶ実務目安17~19tの下限よりも軽いため、道路の上限内に収まると見込めます。この場合は重量ではなく容積の制限で止まります。20DCを2本使えば516箱で、道路の上限内に収めた40DC 1本(300箱)の約1.7倍を運べます。

この条件はコンテナ積載計算ツールで再現できます。

ステップ2:VGM(コンテナ総重量)を申告する

VGM(Verified Gross Mass:コンテナ総重量検証)は、2016年7月1日に発効した改正SOLAS条約(第VI章第2規則)で導入された制度です。運用の指針はIMOのガイドライン(MSC.1/Circ.1475)にまとめられています。制度の概要はIMO(国際海事機関)のサイトで確認できます。VGMに関連して発生する費用は海上輸送の付帯料金で扱っています。

日本では国土交通省が、改正SOLAS条約の発効に合わせて、総重量を確定する荷送人や代行者について、事前の届出・登録の制度を設けています。

申告するのは誰か

VGMの申告義務は荷主(Shipper)にあります。ここでいう荷主とは、船荷証券(B/L)や海上運送状(Sea Waybill)に荷送人として記載される者、または船会社と運送契約を結んだ者です。

算定方法は2つ

  • 方法1:貨物を詰め終えたコンテナを、トラックスケールなどの校正・認証を受けた計量器で丸ごと計ります。
  • 方法2:貨物・梱包材・パレット・緩衝材・固定材をすべて計量して合計し、コンテナの自重を足します。コンテナに貨物を詰める国の当局が承認・認証した方法で行う必要があります。

方法2では、パッキングリストの段ボール重量の合計に緩衝材などの重量を足し、コンテナの扉に表示された自重を加えるのが一般的な流れです。どう算出したかの記録は保管しておきましょう。一方、スクラップ金属やばら積みの穀物のように1つずつ計るのが難しい貨物は、方法1で計量します。

なお、積載計算ツールのレポートに表示される総重量は、積んだ貨物の重量(パレタイズモードではパレットの自重を含む)にコンテナの自重を足した値です。緩衝材や固定材は入力できないため、実際のVGMより小さい下限の目安になります。申告にはそのまま使わず、緩衝材・固定材の重量を別途加えてください。

提出しないと船に積まれない

船長とターミナルへのVGMの事前提出は、船積みの前提条件です。VGMが出ていないコンテナは船に積まれず、提出していても最終的に積むかどうかは船長が判断します。

提出期限はSOLAS条約では定められていません。船会社が積載計画(ローディングプラン)を作れる時点までに必要で、実際の期限は船会社ごとに決まっています。貨物のCUT日(搬入締切日)より前に設定される場合もあるため、ブッキングの際に確認しましょう。

許容誤差は国によって違う

申告したVGMと実際の重量がどこまでずれてよいかも、SOLAS条約には定めがなく、国ごとに決められています。例えば英国の海事沿岸警備庁(MCA)は、取り締まりの基準として「±5%または±500kgのいずれか大きい方」を示しています。韓国の告示では±5%以内です。「どこでも±5%」とは考えず、該当する国の基準を船会社やフォワーダーに確認する必要があります。

よくあるミスとその結果

貨物の重量だけをVGMとして申告する

よくあるのが、パッキングリストの貨物重量をそのままVGMとして出してしまうミスです。コンテナの自重と緩衝材が抜けるため、40フィートでは40DCの自重3,750kgに緩衝材の数百kgが加わり、約4t少なく申告することになります。

申告値の誤りが見つかると、再計量やVGM訂正の費用がかかります。予定の本船に積まれず、次の本船に回される(積み残し)こともあります。繰り返せば、過料や検査の強化につながるおそれがあります。

カタログの平均的な自重を使う

自重はコンテナ1本ごとに違います。平均値との差が許容誤差の範囲内に収まるとしても、その分だけ他の誤差に使える余裕が減ります。扉に表示された自重を使うのが確実です。

コンテナの最大積載重量を基準に積む

コンテナの規格いっぱいまで積むと、道路の計量所(ウェイステーション)で過積載として止められることがあります。その場合は処分を受けるうえ、一部の貨物を別の車両に積み替える必要があり、2台目の車両費用が発生します。米国では罰金に加え、国内での積み直しを求められることもあります。20フィート2本に分けるかどうかの判断には、運賃の構造も関わります。詳しくはFCLとLCLの違いをご覧ください。

ステップ3:コンテナ内の重量配分を確認する

総重量が上限内に収まっていても、重量の配分が悪ければ問題になります。確認するのは、床にかかる荷重、長さ方向の重心、上下の積み方の3点です。

床荷重

コンテナの床荷重の上限は、長さ1mあたり20フィートで4.5t(4.5t/m)、40フィートで3t(3t/m)です。確認するには、貨物の重量を床に接する長さで割ります。

例えば10tの貨物を4mの長さで支える場合は、次のようになります。

10t ÷ 4m = 2.5t/m

狭い面積に重量が集まる集中荷重の貨物は、木材の敷板を下に入れて荷重分散を図りましょう。

重心は長さ方向・幅方向とも中央に

コンテナの重心は、長さ方向・幅方向ともに中央に来るように積みます。扉側に重量が偏る偏荷重の状態だと、総重量が上限内でも車軸ごとの重量が上限を超え、道路の重量違反になるおそれがあるので注意が必要です。

重いものは下、軽いものは上

段積みでは、重い貨物を下に、軽い貨物を上に置くのが基本です。積み方の工夫はコンテナのスペースを最大限に活用する方法で紹介しています。

積付けの実務の基準としては、CTUコード(IMO/ILO/UNECE 貨物輸送ユニット収納規則)があります。事故が起きた後の検査や保険の判断では、この規則に沿って積まれていたかが問われます。

40フィートコンテナには何トンまで積めますか?

40フィートドライコンテナ(40DC)の最大積載重量は約28.8tです(船会社の例で28,750kg)。ただし、これはコンテナの構造上の上限です。道路輸送では車両全体の重量制限が先に効き、米国の標準的なシャシーで運べる貨物は約19~20t、欧州では約25~29tが実務上の目安です(車両・シャシーの自重を仮定した推定)。積める重量は、輸送ルートの中で一番低い道路の上限で決まります。

20フィートコンテナの最大重量は何トンですか?

船会社の例では、20フィートドライコンテナ(20DC)の最大積載重量は28,130kg、自重を含めた最大総重量は30,480kgです。米国の道路を標準的なシャシーで運ぶ場合、貨物は約17~19tが実務上の目安になります。これを超える場合は3軸シャシーや特別な通行許可(Overweight Permit)で対応できることがありますが、追加費用がかかります。

VGMとは?

VGM(Verified Gross Mass:コンテナ総重量検証)とは、貨物・梱包材・パレット・緩衝材・固定材にコンテナの自重を足した、輸出コンテナの確定総重量のことです。改正SOLAS条約(第VI章第2規則)により2016年7月1日から、船積み前のVGM提出が義務になりました。VGMが提出されていないコンテナは船に積まれません。

40フィートと20フィートで最大積載重量がほとんど変わらないのはなぜですか?

コンテナの重量等級は、容積ではなくコーナーキャスティング(四隅の金具)やフレームの強度で決まるためです。同じ船会社で比べると、最大総重量32,500kgの40DCは28,750kg、30,480kgの20DCは28,130kgで、差は620kgしかありません。30,480kg等級の40DCでは、20DCより1,490kg少なくなる例もあります。そのため重い貨物は、40フィート1本より20フィート2本のほうが多く運べる場合があります。

VGMを申告する責任は誰にありますか?

荷主(Shipper)です。ここでいう荷主とは、船荷証券(B/L)や海上運送状(Sea Waybill)に荷送人として記載される者、または船会社と運送契約を結んだ者を指します。算定方法は、貨物を詰め終えたコンテナを校正・認証済みの計量器で計る方法1と、中身をすべて計量して合計し、コンテナの自重を足す方法2の2つです。方法2は、コンテナに貨物を詰める国の当局が認めた方法で行う必要があります。

VGMを出し忘れたり、間違えたりするとどうなりますか?

VGMの事前提出は船積みの前提条件のため、提出がなければ船に積まれません(最終判断は船長)。申告値と実際の重量の差が各国の許容範囲を超えると、再計量やVGM訂正の費用がかかり、予定の本船に積まれず次の船に回される積み残しにつながります。繰り返せば、過料や検査の強化につながるおそれもあります。

VGMの許容誤差はどのくらいですか?

SOLAS条約は許容誤差を定めておらず、国ごとに異なります。例えば英国の海事沿岸警備庁(MCA)は、取り締まりの基準として「±5%または±500kgのいずれか大きい方」を示しています。韓国の告示は±5%以内です。一律に「±5%」と考えるのは避け、該当する国の基準を船会社やフォワーダーに確認しましょう。

VGMはいつまでに提出する必要がありますか?

SOLAS条約自体には提出期限の定めがありません。船会社が積載計画(ローディングプラン)を作れる時点までに提出する必要があり、実際の期限は船会社ごとに決まっています。貨物のCUT日(搬入締切日)より前に設定される場合があるため、ブッキング時に確認しましょう。

コンテナの自重はどこで確認できますか?

コンテナの扉に表示されています。最大総重量はCSCプレート(CSC安全承認板)で確認できます。同じ20DCや40DCでも自重は1本ごとに違い、修理や床の張り替えでも変わります。VGMを計算するときは、カタログ値や平均値ではなく、実際に使うコンテナの扉に表示された自重を使いましょう。

コンテナの総重量に梱包材やラッシング材は含まれますか?

含まれます。VGMは貨物だけの重量ではなく、梱包材・パレット・緩衝材(ダンネージ)・ラッシング材などの固定材、さらにコンテナの自重まで含めた総重量です。貨物の重量だけを申告すると、40フィートではコンテナの自重(40DCで3,750kg)と緩衝材の分が抜け、約4t少なく申告することになります。

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